これまで、都市空間の中に設置されたサインは、道路空間の限定条件などから高い所にありました。しかしながら、超高齢化社会の到来など交通弱者の外出機会が増える中、交通弱者は、どうしても前傾姿勢になり、高い所にあるサインに目が行かなくなること、更には、すり足で歩く方が増え、足もとの少しの変化にも転倒する可能性が増大するなどから、歩行空間におけるサインを、視線の上方空間から足もとにすることの必要性が認識されるにいたりました。
そこで、足もとからの情報発信であれば、足もとから目を離す必要がなく、ここで心配される事故などの可能性が軽減されることなどから、足もとの視認性の改善と安全な歩行支援をする為の技術の開発が急務の課題となっております。
この課題に対して、今回は、調布市さまと京王電鉄さまのご協力により、光=パナソニック電工とキクテック、音=TOA、サイン=住友3Mの各分野(パナソニック電工=照明器具、キクテック=道路資機材、TOA=公共音響、住友3M=道路表示材)の業界最大手4社がそろい、分野を越えて『効率的かつ利用者にやさしいユニバーサルデザインの環境』を実現する為に、自治体や地域住民、更には、学会の協力などを得ながら、実際のフィールドを活用しながら技術開発を行ってまいります。
このように公共の空間を利用して、1年間のロングランで社会実験ができることは、非常に貴重な試みであり、実際のフィールドを利用できることで、より効果的な開発のモデルになればと考えます。
また、最終目標は、交通弱者より求められる環境へ『利用者の為に、標準化すること』にあります。
(研究会経緯)
2004年8月 光のUD研究会発足
2005年4月 光のUD歩行実験(練馬区)
2006年4月 光音サインのUD研究会発足
2007年5月 光音サインのUD社会実験(浅草・台東区)
(実証実験要項)
•日 時 11月15日(土) 午後2時~6時
•場 所 調布市教育会館202号会議室および調布駅前(詳細別紙)
•内 容 照明、音響機器および路面サインの評価・検討実験(詳細別紙)
ユニバーサルコミュニケーション研究所
代表取締役所長 日田 信博
光・音・サイン光音サインUD調布南口実証実験趣旨・経緯(主催UCI)
2008-11-28